せぼねとて

絵の事とかそれ以外のこととか。

大学一年の夏

 今年の夏で23歳になる。僕は4年間も浪人をしていて毎年夏は講習会のコンクール三昧だった。毎日、目の回りそうな勢いで絵に向き合っていた。大学生になって初めての夏、心に大きな穴が空いていることに気づいてしまった。大学入ってからは忙しなく課題の絵を描いていた、そうすることで振り返る時間を設けられないようにしていたのかもしれない。浪人生活を振り返ると基本的に辛い思い出ばかりかなと思っていたが、そんなこともなかった。美しさとは何か、絵画の魅力とはなにか、自分はどういう作家になりたいか。毎日気が狂うまで描いて、毎日心がダメになるまで自問自答していた。僕は今後の人生でそれくらい人生と向き合うことができるだろうか。絵画と向き合うことができるだろうか。大学初めての夏休みを迎えた今の僕には浪人期間を超える努力をできると言い切れる自信がない。少し休むことも大事だよ、と誰かが言ってくれればいいけど。そんな都合の良い言葉は誰もかけてはくれないし。休んでいたらあっという間に大学生活が終わってしまうのだろうなと思う。

 10代を終えて20代に突入してから3年が経とうとしている。飽きるほど音楽は聴けているか?部屋が埋まるほど本を読んでいるか?考察にふけるほど映画を見たか?絵に向き合うこともそうだけどもっと色んなものを知る必要があるなとも思う。夏は映画鑑賞と読書を積極的にしていきたいな。