せぼねとて

絵の事とかそれ以外のこととか。

私は一人間である前に落ちこぼれだ。

 私は一人間である前に落ちこぼれだ。人が当たり前に突破している大学受験を四年も失敗し、バイトの面接も上手くできず不採用。友人関係も比較的に苦手ですぐ喧嘩して喋れない人が増えてしまう。家ではずっと音楽を聴いて絵を描くか曲を作るかしている。絵は元々クラスで10番目くらいに得意(つまり上手くない)だった。歌を歌っても父親に変な声だと言われて笑われた。僕はここ4、5年ずっと絵を描いて、音楽を作っている。最初の3年くらいはひどいものだった。お世辞にもセンスがあるとは言えない。ただ僕はなんとなくそれ以外のことの方ができなかった、普通に暮らしていくことの方がよっぽど下手だった。友達ができ始めたのはちょうど3浪の頃すいどーばた美術学院に予備校を変えた頃だった。なんとなく下手なコミュニケーションで自分の好きなお笑い、好きな音楽の話をしていた。友達と呼べる人ができた。絵をやめると多分そういう人に出会えない。音楽を辞めるときっと精神を病んでしまう。できれば続けて行きたいのだ。

 たくさんの絵を描きたい。できれば色んなことを知って色んな景色や色んな人を描きたい。夏が来ると浪人の夏期講習の頃を思い出す。自分が何をやりたいかわからなくなってただ朝から晩までぐちゃぐちゃ画面が壊れていくのを止められずに描き進めていた。今思うとあれは壊れた景色だったんだなと思う。我に帰った今の僕にはかけないんだろうなと思う。落ちこぼれであることを隠している今の僕にはかけない風景なんだろうなと思う。何かの真似を前提に描き始めた絵にはあの風景はかけないんだろうなと思う。